フルHDの動画を4K 60fpsで綺麗に見たい人向けの話です。
2月末に公開されたGeForce ドライバーからRTX Video Super Resolution(VSR)が使えるようになりました。
これを利用することで対応ソフト(Chromeとか)では、動画の解像度が表示解像度より低い場合にアップスケーリングをしてくれるようになりました。
対応しているGPUはRTX 3000番台以降ですが、2000番台もいずれ対応するとされています。
あくまで表示解像度より低いときだけなので、例えばYouTubeで通常のプレイヤー表示だと4Kでも1080pぐらいの領域になるため利用されません。
使い方はドライバーアップデート後にNVIDIA コントロールパネルから設定を有効にするだけです。
段階は4段階から選べますが、高いものを選ぶほどGPUへの負荷が上がります。
この負荷は元動画の解像度とフレームレートによって変わるので、例えば1080p30fpsだとRTX 3060 Laptopでも4を選んでも余裕がありますが、これが60fpsになると3でも45fpsぐらいまでしか出なくなります。
また、720pだと60fpsでも4を選んでもフレームレートの低下が見られませんでした。
ただ、4Kで見る場合は元解像度が720pだとイマイチです。1080pは最低でも欲しいかなと。
実際に動いているかどうかはタスクマネージャーのCompute_0の使用率で確認できます。
動画を再生しているだけで使用率が上がっていれば、VSRが動作しています。
この機能は今のところ正式に対応しているのがEdgeとChromeしか見当たりませんが、ローカルの動画を再生したい時はどうするべきでしょうか。
一応ブラウザにそのまま動画ファイルをD&DするとVSRを使った状態で再生してくれるようですが、動画を再生するのにブラウザを使うのはなにか間違っている気がします。
ということでMPC-BEでもVSRが使われるようにしてみます。MPC-BEを使うとAMD GPUのFluid Motionも同時に使うという裏技が出来ます。
使うのはこちらのレンダラーになります。
Releaseページからダウンロードすればいいのですが、HDR有効な環境だと再生するたびにHDRがオフになる挙動があり、画面がチラつきます。
ですので、HDRを有効にしている方はこちらのコメントにあるv1.2を使うことをおすすめします。
ほとんどの人は64bit版を利用していると思うので、ダウンロードしたファイルのInstall_MPCVR_64.cmd
を管理者権限で実行し、その後Reset_Settings.cmd
を実行します。
このとき、インストール後にファイルを移動できなくなるため、解凍後のファイルはCドライブ直下などに移動させておくとよいでしょう。
その後、MPC-BEのオプション→映像→ビデオレンダラーをMPC Video Renderer
に変更します。
HDR環境の方はビデオレンダラーの右にあるオプションからHDR周りの設定をすべて切っておくとよいです。
Fluid Motionの設定はここでは説明しません。ググれば山ほど出てきます。ちなみにNavi世代のGPUは非対応です。
同時に有効化するにはグラボ2枚刺しより5700Gなどの内蔵グラフィックがVega世代のCPUと組み合わせると最強でしょう。
同時に有効にするとこうなります。左上の表示を見ると60FPSでVSRが有効になっていることが分かります。(この表示は表示→レンダラー設定→統計情報を表示で出せます)
ちなみに60fps化されてからVSRが効くので、5900HS+3060 Laptopの環境ではレベル2が60fpsを生かせる限界となります。
(元サイズ)
今回は以上です。この組み合わせ、4Kディスプレイを使ってると最強だと思うので5700G+RTX 3070みたいな環境が欲しいですね...